昼休み、それぞれでお昼を食べた後、4人で集まって校舎案内をはじめた。
「まず、ここが我らがクラスでございます。ノリいい奴ばっかりだぜ」
なんて、春喜が笑いながら言った。
「じゃあ俺、早く馴染まないと」
それから男子2人は他愛無い話で盛り上がりはじめた。
「じゃあ、私たちも女子トークでもする?」
「う、うん…藤田さん」
「椿ちゃん…私、碧依って呼んでほしーな…なんて?」
「いいの…?」
「もちろん! むしろ、私も、椿って呼んでいい…?」
「うん…! あ、あおいちゃん」
この子、本当に可愛いな。
友達の下の名前呼ぶだけで照れるとは…
「あおいちゃん、って瑞原くんとお付き合いしてるの?」

「?! そ、そんな訳ないじゃん! ただの幼馴染、腐れ縁だもん」
「そっかあ。 仲良いから、付き合ってるのかなと思って」
そんな訳が無い。
そもそも、あいつは私の事なんて女としてすら見ていないだろう。
「あいつのタイプは、私みたいなのじゃなくて、椿みたいな大人しいコみたいだよ」
「私なんて、そんな…! 瑞原くんの、視界にも入ってないよ。 きっと」
椿、すごく可愛いと思うのに。
普段あまりちゃんと見なかったけど、綺麗な顔だと思う。
夏の草原のお嬢様的な?
「それに比べて私は…」
「?」
「ごめん、何もないよ」
そんな話をしていると、春喜に急に話しかけられる。
「何の話しですかあ? 碧依さーん」
「春喜には教えない!」
「ひどい!」