メールのことが気になってたせいか、私はなかなか寝付けず…
うとうとしては目が覚めて…を、繰り返しているうちに、私はあることを思い出した。



(そうだ!確か……)

私は起きあがり、バッグの中に手を突っ込む。



「……あった!!」

私はペンケースの中に、ずっと探してたスマホの充電用のコードをみつけた。
なくさないようにと思って、いつも使ってるペンケースに入れといたんだ…

自分のボケっぷりに少々へこみながら、私は早速充電を始めた。
程なくして、小さな通知音がして、美幸さんからのメールが届いた。
それは、もう何時間も前に送られたメールだった。
美幸さんのメールには、スマホに機種変をしたことをしばらく青木さんには黙っていてほしいと書かれてあった。
もちろん、本体のお金をKEN-Gさんに出してもらったことも内緒にしてほしいと。
私はそれを読んで、ほっと胸を撫で下ろした。
もし、あのまますぐに青木さんに返信してたら…カバーの花と青木さんの送って下さった画像の花がよく似ていたことから、絶対にスマホのことを書いてしまってただろうし、KEN-Gさんに買っていただいたことも、美幸さんとおそろいだということも書いてたと思う。
青木さんに隠し事をするのは心苦しいけれど、美幸さんにも何か事情がおありなのだろうから、言われた通りにしておこう。

時計を見たら夜明け前…
いくら夜更かしの美幸さんでも、こんな時間にメールを送るのは気がひけるから、とりあえず、返信を打つだけ打っておいて、朝になったら送信することにした。
青木さんにも、カバーの花のことは書きたくて仕方がなかったけれどそういうことだから、書くのはやめていつも通りの返信を打ちながら、ふと私の指が停まった。



(どうしよう…こんなに返信が遅くなってしまった言い訳をなんと書けば…?)



充電が切れてスマホのコードがみつからなかったと書けば、スマホに変えたことがバレてしまう。
私がバレるのは全然良いんだけど、もしかしたら美幸さんが心配されるかもしれない。
やっぱり、美幸さんに相談してからにしようと考え、私は書きかけのまま、青木さんへのメールを保存した。