でも、シュウさんと一緒にいられる時間は限られてる。
だから、別れる気は全くなかった。
両親に勘当されても、なにがあっても、絶対に別れないって決めてたから。



シュウさんと結婚してからの一年間はあっという間だった。
私は半ば覚悟をしていたけれど、シュウさんの体には異変はなくて。
ある時、ジョーさんがうちに来て、二人になることがあったから、私は思い切って訊ねてみた。



「シュウの命が?」

ジョーさんは、きょとんとしていた。



「だ、だって、診察の後、ジョーさんと喋ってたじゃないですか。
どうにもなるわけじゃないから、仕方ないとか、なんとか…」

「え?」

ジョーさんは、記憶を手繰るように目を瞑って…



「それって、退院の少し前の話ですよね。」

「は、はい、そうです。」

「退院前に、確かに病気はみつかりました。」

「や、やっぱり!」

「でも、それって、坐骨神経痛ですよ。
かっこ悪いけど、仕方ないって、それは言った記憶があります。」



(坐骨神経痛……?)



「ジョーさん、隠し事はしないで下さいよ!
腫瘍があって、余命は一年だって言われたんでしょう?」

「いいえ、だいたい余命一年だったら、とっくに死んでるはずでしょう?
腫瘍の話なんてありませんでしたよ。
あなたはシュウと医者が喋ってるところを見たんですか?」

「え、ええ…っ!?」