「……今日は疲れただろ?」



母さん達をホテルに送り、その後、兄さんが私をおじいさんの家に送ってくれた。



「まぁね。
でも、母さん…野々村さんのこと、割と気に入ってくれたみたいで良かったよね。」

「そう思うか?」

兄さんの声は静かだ。



「うん、気に入らなかったら、もっときついことを言ったと思うよ。」

「そうか。」

「あの…ほら、兄さんが週刊誌に載ったあの人…」

「亜里沙か…?」

「そう、あんなタイプの人だったら、きっともっときつく当たったと思うんだ。」

「確かにそうかもしれないな。」



兄さんは苦笑した。
久しぶりに思い出したけど、あの人…あれからどうなったのかな。
シュウさんとも付き合ってたみたいだけど短かったみたいだし、最近はテレビでも全然見ないね。



確かに、あんな人と比べたら、野々村さんで良かったと思うよ。
あの人とは絶対合わなかったと思うから。



「なんで、亜里沙さんと付き合ってたの?」

「なんでって…あいつは押しの強いタイプだったからな。」



押しが強いって…
遊びだから、見栄えが良くて押しが強かったら、落ちてしまうのかな。
兄さんも甘いね。