「じゃあ、行ってきますね。
なにかあったら、すぐに連絡して下さい。」

「はい、行ってらっしゃい。」



次の日、俺は仕事に向かった。
特に重要な仕事があるわけではなかったが、かといって、休むほどではない。



昨夜は沐浴の手伝いもした。
ただ、バスタオルで拭いてやっただけだが、赤ん坊は本当に小さくて儚くて、とても心配になってしまう。
子供は二人いるのだし、野々村さんだけに任せるのはもうしわけない。
そうは思うのだが、俺には大したことは出来そうにない。
せめて、家事くらいはなんとか手伝おう。



「カズ、初夜はどうだった?」

「ばか。」

マイケルの軽口に苦笑する。



「未だに信じられないよ。
カズがパパになったなんて。」

「ねぇ、早く子供達に会わせてよ。」

「あぁ、いつでも来いよ。
あ、今夜来るか?
その代わり、晩飯作ってもらうけど。」

「いいね、ぜひ行かせてもらうよ。」



今日は少し早めにオフィスを出て、買い物して、家に帰ろう。
一応、美幸も誘わないといけないか。
年甲斐もなく、胸が弾んだ。