「ここです!俺、車を置いてきます。」

俺とシュウは車から降りた。



(産婦人科…?)



嫌な予感がした。
もしかして、野々村さんは婦人科の悪い病気にでもかかって、入院しているのか?



「野々村さん、入院してるのか?」

「もしかしたら、そうかもしれないな。」



「お待たせしました。」

さっきの男が戻って来た。



「アツシ、どういうことなんだ?」

「今日、この病院にタクシーで向かったことまでは突き止めたんですが…あ、ちょっと待って下さい。」

アツシは、スマホを見ている。



「わかりました。えっと…こっちです。」

俺達は、アツシについて行った。



「の、野々村さん!」

「あ、青木さん!」



野々村さんは、ぐったりした様子で横になっていた。



病気だったのか…
それを知られまいとして、彼女は俺達の前から身を隠したのか…



「野々村さん、お久しぶりです。」

「ど、どうしてここへ?」

「探しましたよ。やっと今日ここがわかって。
御加減はいかがですか?」

「……ご、ごめんなさい!本当にごめんなさい。」

野々村さんは急に泣き出した。
きっと黙って姿を消した事を悪いと思っているのだろう。



「何も気にしなくて構いませんよ。
そんなことより、早く体を治しましょう。」

俺がそう言っても、野々村さんは泣きじゃくるだけだった。