「……どう思う?」

「確かに、謎だな。」



告白を決めたというのに、野々村さんからLINEの返事が来なくなった。
返信が無いというか、既読にならない。
通話をしても出なかった。
美幸にも試させたが、同じだった。



「美幸が、もしかしたらブロックされてるんじゃないかって言うんだ。
でも、ブロックされるようなことは全くない。」

「そうだよな。そんな素振りはなかったよな。」

「だったら、なぜ?
実は、昨夜、野々村さんの家に行ったんだ。
だけど真っ暗で、誰もいないような感じだった。」

「家にもいない。
LINEや通話はブロックされている。
しかも、あんただけじゃなく、ひなりまで。
そいつは妙だな。」



シュウも頭をひねっていた。
最近は、事務所からのメールにも返信が無いらしい。



どういうことだ?
まるで意味がわからない。
野々村さんは今、どこにいるんだ?
どうして俺たちを避ける?
思い当たることがひとつもない。



「なぁ、どうすれば良い?
探偵でも雇うべきか?」

「それなら、うちに良い奴がいる。ホストになる前は、探偵をやってたってヤツがな。」

「じゃあ、その人に頼めるか?
報酬ならもちろん払う。」

「そんなことは気にするな。
全て、俺に任せておけよ。」



いつもにも増して、シュウが頼もしく見えた。
今、俺に出来ることはない。
シュウに任せて返事を待つことにした。