「あ、もちろん、その辺りのことは話してませんから。」



あ、そうだ。
私、沖縄で青木さんに告白したんだ。
思い出したら、急に恥ずかしくなった。
タカミーさん、そんなことまで言い当てるなんて、すごい。
青木さんは話してないとおっしゃってるけど、本当かしら?



「た、タカミーさん、すごいですね。
どうして私の好きな人がわかったんでしょう?」

「さ、さぁ?」

なんとなく気まずい空気が流れた。



「あ、あ、あの…こ、このパスタ、美味しいですね。」

「そ、そうですね。」

二人で黙々とパスタを食べて…
そのうちに、なんだか妙におかしく思えてきた。
いつも冷静な青木さんでも、たまには焦られることがあるんだと思ったら…



「野々村さん…?」

「す、すみません。なんでもありません。
それで、タカミーさんのことは、どうなさるのですか?」

「え?あ、あぁ…とりあえず、様子を見るしかありませんね。」

「そうですよね。
……あ、あの、私はこのままで良いのでしょうか?
タカミー避けの役目が出来ないかもしれませんが。」

「もちろん、大丈夫ですよ。
これからもどうぞよろしくお願いします。」

「わ、私こそ、よろしくお願いします。」

良かった。
厚かましいけど、ここは青木さんのご好意に甘えておこう。
確かに少し迷いはあるけれど、これからも青木さんの彼女さん役が出来ると思ったら、嬉しくてたまらなかった。