「す、すみません。」

私は頭を下げた。



「なんで、野々村さんが謝るんですか?」

「わ、私がこんなだから、タカミーさんが諦めないって言われたわけですから…」

「違いますよ。あいつはきっと俺の相手が誰だって、諦めないって言ったと思います。」

「いえ、そんなことありません。
私のせいです。
だって、シュウさんにはそんなことはおっしゃらなかったんでしょう?」

「えっ!?」

私も考え無しに言ったけど、確かにそうだ。



「ちょっと待って下さいよ。
それじゃあ、野々村さんが美幸に負けてるみたいじゃないですか。」

「はい、そうだと思います。
美幸さんは私より若いし可愛いですから。」

「馬鹿なことを言わないで下さい。
そりゃあ、確かに年は野々村さんの方が上ですが、あいつとあなたを比べたら、女性として魅力的なのはあなたの方だ。
それは間違いありません。」



(女性としての魅力?)



そんなもの、私には無い。
そりゃあ、前よりは身に付けるものには気を付けてるし、お化粧もしてる。
でも、それでも人並みに届くかどうかだもの。
青木さんに気を遣わせてしまったことが、申し訳なくてたまらなかった。