『昨夜は本当にごめんね。』

「えっ!」



美幸さんから来たLINE…
一体、どういうことだろう?



『あの…何のことですか?』

『兄さんが酔い潰れて迷惑かけたんでしょ?』

それを読んでほっとした。



『いえ、大丈夫ですよ。
私は、青木さんをホテルにお連れしただけですから。』

『本当にごめんね。
あ、それから、兄さんは酔うと見境いなくなるみたいだから、気をつけてね。』

『大丈夫ですよ。
青木さんは私なんか相手にされませんから。
なんせ、私と青木さんは見せかけの恋人ですからね。』

ドキドキしながら、そう打って返した。



『兄さんは、酔うとそういうことも忘れるんだよ。
だから、本当に気を付けてね。』

それを読んで、ちょっとだけ寂しさを感じた。
最初からわかってはいたけれど、やっぱり、昨夜のことに愛はなかった。
いや、私にはあったから、一方的な愛はあったわけだけど。



愛もなく、記憶にも残らなかったこと…
そう思えば、確かに寂しくは感じる。
でも、それでも私は幸せだった。
一生、私の胸だけに秘めておこう。