シャワーを出て、冷たい水を一気飲みした。
もうすでに酔いは冷めているけれど。
髪を乾かし、身支度をした俺は、スマホを取りだした。



何て打とう?
最初から詫びた方が良いか?
でも、俺にはそうする勇気はなかった。
さんざん悩んだ挙句に、俺が打ったのは、卑怯にもすっとぼけた内容だった。



『おはようございます。
昨夜、俺、酔いつぶれたみたいですね。
もしかして、野々村さんが俺をホテルまで送って下さったんですか?』

果たしてどんな返信が返って来るのか、或いは返って来ないのか。
送信してから、ドキドキしながら返事を待った。



(あっ!?)

返事はすぐに返って来た。



『おはようございます。
昨夜は、ご機嫌でしたね。
もう帰れないからホテルに泊まるとおっしゃったから、私がホテルまでお連れしました。』



どういうことだ?
これじゃあまるで、昨夜は何もなかったみたいだ。
俺が寝ぼけてたとでもいうのか?
いや、そんなことはない。
あの時は確かに野々村さんが俺の隣にいた。
何も身に付けていない野々村さんが…
あれは、夢なんかじゃない!



野々村さんの気持ちがわからず、何と返信したら良いのか、わからなくなってしまった。