「でも…マジなのか?マジでひかりちゃんと?」

「そんなにおかしいか?」

「おかしいっていうわけじゃないけど…今までの彼女とは雰囲気が違うから。」

「……確かにな。」



誰が考えても確かに俺とひかりは似合わないだろう。
ジョーの言う通り、ひかりみたいなタイプとは今まで付き合ったことがない。
いや、ひかりとは本当は付き合ってはいないのだから、それも当然のことなのだけど…



「でも、なんとなくわかるような気がするよ。」

「え?」

「だって、シュウ…最初からひかりちゃんのこと、気にしてたもんな。」

「俺が、ひかりのことを?」



ジョーは、薄笑いを浮かべながら深く頷く。
俺は苦笑するしかなかった。
一体、何を的外れなことを言ってるんだろう。
俺は、ひかりを気にしたことなんてない。



(ただ、あいつが珍しいタイプだったから、ほんの少し調子が狂っただけだ。)



そう、それだけのことなのに、ジョーの奴…何を勘違いしているのやら。



「あ、もしも、シュウとひかりちゃんが結婚でもしたら、シュウとカズさんは兄弟ってことになるんだな!?」

「は?」

俺とひかりが結婚だって!?
そんなこと、あるはずがない…
そもそも、俺とひかりは付き合ってもいないんだから。
高見沢除けのために吐いたこの嘘が、なんだか妙に疎ましく感じられた。