『兄さんと野々村さんも、付き合ってるふりをすることにしたそうです。』



うん、もういいよ。
送信しよ。



こんな短い文面なのに、何度も打ち直してようやく決まった。
そんなに考えこまなくても、とりあえず、伝わればそれで良いのに。



送ったLINEはなかなか既読にならない。
シュウさんのことだから、まさか、まだ寝てはいないと思うけど…
あ、そっか…まだ仕事なのかもしれないね。
うん、きっとそうだ。



さっき、野々村さんとLINEしてて気付いたけど…
シュウさんも兄さんも、最近は付き合ってる人がいないんだね。
それがなんとも不思議。



まさかとは思うけど…野々村さんは、おじいさんに振られたから、兄さんに乗り換えようとしてるのかな?
そんなことないよね。
おじいさんと兄さんはタイプも全然違うし。
それに、今回のことは野々村さんが言い出したわけじゃないもんね。



でも、万一、こんなことがきっかけで、野々村さんと兄さんが本当に仲良くなったりしたら…
う~ん…微妙。
もちろん、いやなわけじゃないけど、野々村さんとは『友達』だから、それが『お姉さん』になると思うと、確かにちょっと違和感みたいなものはあるかな。



って、私、考え過ぎだよね。
そんなこと、あるはずないよね。