（……どうしよう。）



夕食後、マイケル達と軽く飲んで、他愛ない話をして…



部屋に戻って、ひとりになると、気になるのは野々村さんへの返信のことだった。



一体、俺はなぜこんなにも悩んでいるんだ？
しかも、くだらないことなのに…



（よし、ひとつずつ考えてみよう。）



まず、タカミーのこと。
それは、確かに迷惑だ。
だが、タカミーには、忙しい中、髪をやってもらってるし、無下に出来る相手でもない。
だから、彼女がいるから諦めてくれっていう作戦は、確かに助かる。
角を立てずに、諦めてもらえるから。



（……そうだよな。じゃあ、頼めば良いんだ。）



気が変わらないうちに…また余計なことを考え過ぎないようにと思い、俺は素早く返信を書き込んだ。
なんだ、こんなに簡単なことだったんだ。



『どうぞよろしくお願いします。』

そして、すぐに送信。



LINEはすぐに既読になった。



『了解です。こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。」



野々村さんからの簡素な返信に、なぜだか胸が躍った。



（……馬鹿馬鹿しい。）



ただ、野々村さんと付き合うふりをするだけのことだ。
タカミー避けのために。



（それだけのことなんだ…）