かくれんぼって年じゃないんだけど…
でも、みんな、意外と乗り気だったから、仕方ない。
どこに隠れるって目当てもなく、私はとにかくおじいさんの傍から離れることだけを考えて駆け出した。
みんなはどこに行ったんだろう?
もう誰の姿も見えない。



「ひかり…こっちだ!」

「え?」



不意に聞こえた声に、私はあたりを見渡した。
すると、木陰からシュウさんが手招きをしていた。
私は小走りでシュウさんの元へ走った。



「行くぞ!」

「え??」



突然、手を握られてびっくりしてたら、そのまま引っ張られるようにして駆け出して…
森の中をしばらく走って、走り過ぎて息が苦しくなった時、ようやくシュウさんの足が止まった。



「……ここまで来たら大丈夫だな。」

そう言って、シュウさんは木の根元に腰を降ろした。
私も疲れてたから、傍に座って息を整えた。



「ちょっと離れすぎたんじゃないですか?
おじいさん、こんなところまで来るでしょうか?」

私がそう言うと、シュウさんはなぜだか笑った。



「じいさんは、きっと今頃別荘に帰ってるんじゃないか?」

「え?どうしてですか?」

驚く私を見て、シュウさんはまたも笑った。