「おや、思い出し笑いとは意味深じゃな。」

「え?い、いや、つまらないことなんです。」

俺は慌てて首を振る。
大河内さんは、そんな俺を見て、にこやかに笑っていた。



「この次は、何をしましょうかね。
店ではやっぱりシュウもひかりをお客としてしか見ないでしょうし、ずっと一緒にいるわけにもいきませんしな。」

「そうですねぇ。
パーティもやりましたし、アニメ映画もそうそうないでしょうし、何が良いでしょうね。」

「う~ん……」

大河内さんは、腕を組んでじっと目を閉じた。
確かに、今までにもいろいろと催して来たから、ネタが尽きて来ている。



「そうじゃ!」



大河内さんは、晴れやかな顔をして手を打った。



「旅行に行こう!」

「……え?旅行…ですか?」

「そうじゃ!
旅行なら、気分も上がるし、お膳立てしてやればふたりでゆっくり話せる時間もいくらでもあるじゃろう。」

確かに、それは良いかもしれない。
旅行先では、皆、けっこうオープンになれたりもするものだ。
それに、考えてみれば、俺も最近は旅行なんてしたことがなかった。
それは、美幸も同じだ。
マイケルやアッシュだって、旅行に行けるとわかったら、きっと喜んでくれるはずだ。