(どういうこと?
どうして、シュウさんはあんな怖い顔を…?)



私にはシュウさんの心の中がわからなかった。
ただ、私の言ったなにかがシュウさんを怒らせたことだけは間違いない。



(どうすれば良いんだろう?)



シュウさんはジョーさんとなにか楽しそうに話してる。
今日はもう近寄らない方が良いのかな?



いや、だめだ…!
シュウさんには、時間がないんだもの。
謝って、なんとか機嫌を直してもらわなきゃ…



私は、重い足をひきずって、シュウさんの傍に近付いて行った。
でも……やっぱり怖い。
さっきの何がまずかったんだろう?
純平君の話しかしてないんだから、そのことだ。
私が、純平君を友達に毛が生えたようなものだって言ったこと?
私がいいかげんな気持ちで純平君と付き合ってたこと?
でも、付き合うったって、メールや電話がほとんどだったし、二人っきりで会ったのはほんの数回、それもカラオケやショッピングみたいなことをしただけで…



(あ……)



思い出して、かぁっと顔が熱くなった。



そりゃあ、確かに、チューはしたけど…
でも、本格的なものじゃなかった。
中学生とかが初めてやるような、ごく軽いチューだもの。
あんなの、シュウさんにとったら挨拶替わりでしかないと思う。



なんで?
なんで、シュウさんはあんなに不機嫌になったの!?



考えてもどうしてもわからなくて、私は、やっぱりシュウさんに近付けなくて、テーブルの傍でまごまごしてた。