「兄さん、シュウさん、明日退院なんだって。」

「なに、明日?
意外と早かったんだな。
そうか、それは良かった。」

「また近いうちに退院祝いやらなきゃね!」

兄さんもアッシュさん達も何も知らないから、呑気なことを言っている。



「大河内さんには連絡したのか?」

「まだだけど…」

「そうか、なら俺から連絡しておく。」

「そう、じゃあお願いね。」

兄さんが連絡してくれるならそれに越したことはない。
ぬか喜びみたいなことをさせられるのはいやだから…



なんで、私、こんな重大な秘密を知ってしまったんだろう…
知らなければ、こんな重い気持ちを抱えることもなかったのに…



でも、元はと言えば、こんなことになったのは私のせい。
だからこそ、こんな秘密を知ることにもなってしまったのかもしれない。



そうだ…私には責任があるんだ。
シュウさんに命を救われた分、私は、皆が知らないことを抱えながら、シュウさんの役に立たないといけない。
私にどんなことが出来るかわからないけど、私はベストを尽くさなきゃいけないんだ。