*
「ひかりちゃん、今日も来てくれたんだね、ありがとう。」
次の日、またいつものように私はシュウさんのお見舞いに行った。
だけど、シュウさんは部屋にはいなくて、一人でシュウさんの帰りを待ってたら、そこへジョーさんがやって来た。
「い、いえ、勝手に来てるだけですから…」
「ところで、シュウを知りませんか?」
「私が来た時もいらっしゃらなかったんです。」
「そうなんですか。どこに行ったのかな?」
「あ、私、見てきます。」
ジョーさんと二人っきりでいるのも気詰まりだと思って、飛び出したのは良いけれど、探すあてはない。
病院は広いし、検査もどこでやってるのやら…
(あ、そういえば…)
確か、昨日、四階で検査がどうのこうのって聞いたことを思い出した。
だからって、そこにいるとは限らないけど、とりあえず四階に行って適当に歩いてるうちに、私は一際目立つあの部屋着をみつけた!
(あ、シュウさん!)
シュウさんは私が声をかける前に曲がり角を曲がってしまった。
私は走ってそれを追いかけたけど、廊下にはもう誰もいなかった。
そこにはいくつかの部屋があって…
「残念ですが…」
通りすぎようとした扉の中から聞こえた声に、ふと私の足が停まった。
「腫瘍は良くないものでした。あなたに残された時間はおよそ一年…」
(何??
腫瘍…?一年って…?)
ガタンという物音に、私はあわてて走り出した。
今、立ち聞きしまった言葉が頭の中でぐるぐるとまわり、鼓動は速さを増していた。
足ががくがくして、私は柱にすがりつくようにしてかろうじて立っていた。
「ひっ!」
不意に背中を叩かれ、振り向くと、そこには浮かない顔をしたシュウさんが立っていた。
「どうかしたのか?」
「あ、あの…ジョーさんが探してましたよ。」
私にはそういうのが精一杯で…
「ジョーが?そうか、ありがとう。」
シュウさんはゆっくりと歩き出した。
シュウさんが…あと一年の命?
そんな…信じられない。
でも、今、私ははっきりと聞いた。
まだショックから覚めずに、私は震える足を懸命に支えていた。
「ひかりちゃん、今日も来てくれたんだね、ありがとう。」
次の日、またいつものように私はシュウさんのお見舞いに行った。
だけど、シュウさんは部屋にはいなくて、一人でシュウさんの帰りを待ってたら、そこへジョーさんがやって来た。
「い、いえ、勝手に来てるだけですから…」
「ところで、シュウを知りませんか?」
「私が来た時もいらっしゃらなかったんです。」
「そうなんですか。どこに行ったのかな?」
「あ、私、見てきます。」
ジョーさんと二人っきりでいるのも気詰まりだと思って、飛び出したのは良いけれど、探すあてはない。
病院は広いし、検査もどこでやってるのやら…
(あ、そういえば…)
確か、昨日、四階で検査がどうのこうのって聞いたことを思い出した。
だからって、そこにいるとは限らないけど、とりあえず四階に行って適当に歩いてるうちに、私は一際目立つあの部屋着をみつけた!
(あ、シュウさん!)
シュウさんは私が声をかける前に曲がり角を曲がってしまった。
私は走ってそれを追いかけたけど、廊下にはもう誰もいなかった。
そこにはいくつかの部屋があって…
「残念ですが…」
通りすぎようとした扉の中から聞こえた声に、ふと私の足が停まった。
「腫瘍は良くないものでした。あなたに残された時間はおよそ一年…」
(何??
腫瘍…?一年って…?)
ガタンという物音に、私はあわてて走り出した。
今、立ち聞きしまった言葉が頭の中でぐるぐるとまわり、鼓動は速さを増していた。
足ががくがくして、私は柱にすがりつくようにしてかろうじて立っていた。
「ひっ!」
不意に背中を叩かれ、振り向くと、そこには浮かない顔をしたシュウさんが立っていた。
「どうかしたのか?」
「あ、あの…ジョーさんが探してましたよ。」
私にはそういうのが精一杯で…
「ジョーが?そうか、ありがとう。」
シュウさんはゆっくりと歩き出した。
シュウさんが…あと一年の命?
そんな…信じられない。
でも、今、私ははっきりと聞いた。
まだショックから覚めずに、私は震える足を懸命に支えていた。



