赤い流れ星3





(どうしよう?)



さっきからスマホの画面とずっとにらめっこ。



ホムペを見てみたら、シュウが告白するところまでは書いてた。
なぜだか、ひかりにひかれて、シュウはいつものように告白する。
普通だったら、シュウが告白して断る相手なんていないけど、ひかりは、びっくりしすぎて良い返事をしない。
私なんて…とか、冗談はやめて下さいって、シュウから逃げて…
シュウは、そんなひかりに面食らって、なおさら意地になるっていうのか、ますます執着してしまう…みたいな…
小説はここで終わってた。
しかも、出会いのシーンは思いつかなかったらしく書いてない。
本当にいい加減…
こんな事で、この小説は完結出来るんだろうかね?
スマホになってから、ガラケーみたいにさくさく打てなくなったっていうのも、小説をサボった原因のひとつだ。
まぁ、真面目に働き始めてから、小説のことはほとんど忘れてたっていうのもあるけど。


う~ん、それにしてもこれからどうしよう?
ひかりもだんだんシュウにひかれていくっていう雰囲気にしたいんだけど、それをどんな風に書けば良いのやら…
恋愛経験が少ないだけに、なかなかすらすら書けないよ。



私は純平君のことを思い出した。
そうだよ…やっぱり、デートは男の方から誘って、会ってるうちに相手のことを自然と好きになって…
でも、そんなこと書いても、小説じゃ、ちっとも面白くない。
やっぱり小説なんだから、ちょっとはびっくりするような出来事がないとねぇ…



って、そんなことをあれこれ考えるばかりで、小説は一文字も進まない。
私はついに諦めて、ホムペの画面を閉じた。