「そうか…じゃ、野々村さんには早めに連絡しとけよ。
今夜中には詳しい時間も決めるから。
……それで、アッシュはどうなんだ?」

「え?…あぁ、ボクなら大丈夫だよ!」

アッシュもさっきとは違い、明るい笑顔でそう答えた。



「あ!わかった…!
アッシュ、また服を買いに行くつもりだったんだろう!」

マイケルが不意に手を打ち、俺達の会話に横から口を挟んだ。



「ち、違うよ!
昨日パンツ買ったばっかりだし、しばらくは買わないって!」

アッシュの慌てぶりを見る限り、マイケルの推測は図星だったようだ。



その様子を見て、俺はどこか安心した想いを感じた。
考えてみればアッシュと美幸が一緒に出掛ける道理なんてない。
アッシュには付き合っている不特定の女性がいるようだし、美幸なんかを相手にするわけがない。
それに、美幸も自分がモテないタイプだってことはわかってるだろうし、そうでなくとも、母さんに「見た目の良い男は性根が悪い」って言われ続けて育ってるから、イケメンは嫌いな筈だ。
二人の間には共通の趣味もないし、そんな二人が一緒に出掛ける程、仲良くなるはずがない。



(何、考えてたんだろ…
最近、俺、疲れてるのかなぁ…?
それともストレスがたまってるのか…)



マイケルが来られないのは残念だが、そんなこともあり、とにかく、土曜は美幸達と一緒に出掛けることにした。
先週も大河内さんの所で弾けたとはいえ、やはり、初対面の相手だったから心の底では緊張していたと思う。
その点、一緒に行くのがアッシュや美幸や野々村さんなら、気を遣うこともない。




思いっきり遊んで、このところぱっとしなかった気分をリフレッシュしてこよう!