「一休みしようか。」

「そうだね。」

この前歌おうって言ってて歌えなかった分をいっぱいデュエットした。
やっぱり、純平君とのデュエットはとても楽しい。



「ひかりちゃん、おなかすかない?
何か食べない?
それとも違うお店に行く?」

「ううん、ここで良いよ。
じゃあ、何か食べようか…」

私達は並んでメニュー表を見ながら、注文するものを決めた。
なんだか、こんなことですら照れくさいような嬉しいような…



「けっこうおいしいね。」

「そうだね…」

私はオムライス、純平君はカレーライスを頼んで、他愛ないことを話しながら食べた。



「あ、それ…」

純平君の持ってたハンカチが、私の好きなアニメのキャラのハンカチだったから、思わず飛びついてしまった。



「ふふっ、可愛いでしょ。
見かけたらつい買ってしまったんだ。」

「わかる!これは見たら絶対買うよねぇ…」

「こんなの持ってるホストなんていないよね。」

「そういえば…純平君はどうしてホストになったの?」

「え……それは……」

純平君の手が止まって、言葉も途絶えた。
まずい…きっと、聞いちゃいけないことを聞いてしまったんだ。



「あ、なんか変なこと聞いちゃったかな。
ご、ごめんね。気にしないで…」

「いや…いい機会だから聞いてもらおうかな。」

「え?」

「僕が、ホストになった理由っていうか、いきさつっていうか…」

「いいの?」

純平君は、だまったままで小さく頷いた。