赤い流れ星3

*



「ここなんだ。」



シュウさんが連れて行ってくれたのは、車で20分程走った郊外の喫茶店。
煉瓦作りの可愛らしいお店だ。



「若い夫婦がやってるお店なんだけど、見た目も味もオリジナリティがあってうまいんだ。」

「そうか、それは楽しみじゃな。」



店の中も外観同様、可愛いレイアウトになっていた。
私達は、窓際の席に座った。
おじいさんと野々村さんが並んで座ったから、私は成り行き上シュウさんと並んで座ることになった。
なんだかちょっと気恥ずかしい。
でも、正面に座るよりはましかもしれない。



「おぉ、どれもこれもおいしそうじゃな。
こりゃあ、選ぶのが大変じゃ。」

「本当…とてもおいしそうですね。」

メニューを見ながら、野々村さんとおじいさんは楽しそうに笑みを交わす。
なんだか本当にラブラブだなぁ…
なんで私達は打ち明けてくれないんだろう?
もうみんな知ってるのに…



「ひかり、どれにするんだ?」

「え?わ、私は……」


今、シュウさん、「ひかり」って呼び捨てにしたよね?
それもすごく自然に…
たいしたことじゃないのかな?
そうだよ、こんなこと、シュウさんにとってはなんてことないんだ。
そう思うのに、私の心臓はひどく弾んでいた。


だって、一応、彼氏の純平君だって、私のことは「ひかりちゃん」って呼ぶのに…



「シュ…シュウさんはどれにするんですか?」

「実は俺も決めかねてるんだ。
候補はあるんだけど、どれにしようかってさっきから迷ってる。」

なんだか、可愛い。
ケーキ選びに迷うなんて…


思わず鼻の下が伸びるのを感じて、私ははっと我に返った。



多分これがギャップ萌えってやつだ。
いつもは完璧な…しかも、甘いものなんて食べそうにないシュウさんが、こういうことで迷うっていうのが、萌えの原因になるんだな。
私も思わずくらっと来たもん。
やばい、やばい。