「じゃあ、おやすみなさい……」

真夜中に野々村さんとお菓子を食べながらしばらく喋って……
気が付いたらいつの間にか朝になってて、そしたら、たまらなく強い眠気が襲って来た。
私は妖怪か!



(なんか……楽しかったな。
こんな風に夜通し誰かと話するなんて、初めてだもん。)



私はすごく満ち足りた気持ちで、横になった。







「……おはよう。」

「あ、美幸さん。おはようございます。
……って、もうお昼ですけどね。」



わぁ、珍しい。
野々村さんでも冗談言うんだ。
やっぱり、自分の家だからリラックスしてるのかな?



「今、なにか食べるものを用意しますね。
パンかごはんか、どちらが良いですか?」

「私はどっちでも良いよ。
野々村さんと同じもので……」

「そうですか?
じゃあ、さっき買って来たお弁当にしましょうね。」



どうやら、野々村さんは私が寝てる間にコンビニ行ってくれてたみたいだ。
普段から料理はあんまり作らないって言ってたけど、本当だったんだな。
部屋はきちんと片付いてるし、掃除もしてあるみたいだから、私よりはずっとマシだけど。



「美幸さん、お風呂わかしましょうか?
昨夜、入られなかったでしょう?」

「あぁ、もう良いよ。
着替えも持って来てないし、家に帰ってから入るから。」

「……そうですか。
じゃあ、お菓子でも……」

野々村さんはいろいろと私に気遣ってくれた。
本当に良い人だな。



「ねぇ…野々村さん……」

「なんですか?」

「あの……また、ここに泊まりに来ても良い?
あ、今度は酔っ払ったりしないよ。
私ね……こんな風に友達の家に泊まりに行ったことがなくて……そこまで親しい友達いなかったから……
野々村さんは迷惑だったかもしれないけど……私、昨夜はなんか楽しかったんだ。」

ちょっと照れ臭かったけど……私は素直に今の気持ちを伝えた。



「迷惑だなんて、そんなこと……
私も女友達とこんな風におしゃべりしたことありませんでしたし、とても楽しかったです。
ぜひ、また遊びに来て下さい!」

「あ…ありがとう……」

野々村さんとまた少し仲良くなれたような気がして、私はちょっと嬉しかった。