(シュウさん……一体、どうしてあんなことを?)



お風呂に浸かりながら、私は今夜のことを思い出していた。

美幸さんが帰ると言われた時、シュウさんが急に立ち上がられたのには驚いた。
しかも、出ていかれてからなかなか戻って来られない。
お店の下まで送って下さったのかと思ったけど、どうやらそうでもなさそうで……
シュウさん……まさか、昔の記憶が戻ったんだろうかとか、なんだかものすごく気になった。
気になって気になって……早く美幸さんにおたずねしたくなって……
落ちつかなくなって帰ると言ってしまったら、KEN-Gさんまでが帰ると言い出されて……
なんだか申し訳なかったな。
でも、もしかしたら、KEN-Gさんも私と同じ気持ちだったのかもしれない。
シュウさんと美幸さんのことが気になって仕方なかったのかも……
タカミーさんは一人でシュウさんを待つと言われたけど、KEN-Gさんは無理に連れて帰られた。
当然、タカミーさんはかなり渋られてて、そのうちにシュウさんのアドレスを教えることを交換条件に出されていた。
結局、素直に帰られたってことは、KEN-Gさん…お教えになってしまったんだろうか?
また、KEN-Gさんにも連絡してみなくっちゃ。
そういえば、今日、美幸さんは青木さんには私と食事って言って出て来られたってことだったけど、遅くなって、しかもお酒も飲んでておかしく思われなかっただろうか?



あぁ、早く連絡したい!
いろいろなことをお聞きしたい!
でも……そんなことをしたら、おかしいって思われるかしら?
シュウさんとのことは美幸さんにおまかせする方が良いのかしら?



考え過ぎなのかもしれない。
期待し過ぎなのかもしれない。

でも、シュウさんと美幸さんがまた昔のように仲良くなれたらどんなに良いだろう?



(これは、青木さんの想いでもある。
今はすべて忘れてらっしゃるけれど……)



それに、永遠の命と引き換えにこちらの世界にいらっしゃったKEN-Gさんの悲願でもあるんだから……