「…あの…」
動揺する瑠奈。
「心配かけさせんなよ…瑠奈」
!!
十一文寺君に初めて名前を呼ばれた。
いつもお前…呼ばわりなのに
「……っ!!」
嬉しくて余計涙が溢れてきた。
こんなに名前を呼ばれる事が嬉しいなんて…
「……。」
それを黙って遠くで見ている蘭。
何か言い出そうだったが、グッと我慢をしているようだった。
その後。
散々な水族館になってしまい早めに帰る事に
寂しい…もっと居たかったのに。
しゅんと落ち込んでいると兄が
「悪い、瑠奈。
俺は、用事があるからそのまま出かける。お前は、せっかくだから十一文寺にでも送って貰え!」



