その後も十一文寺君を残してバイトを始める。
「いらっしゃいませ~」
ケーキを詰めたり片付けたりをしてると不思議に思い出す十一文寺。
「何でそんなに一生懸命働くんだ?
たった数百円の金で…?」
「お金の問題じゃないからだよ!」
そう言うのは、皐月だった。
「あんたは!?」
「はじめまして
ココのパティシエをしている皐月です」
「…何で、お金の問題じゃないんだよ?」
不思議に思い訊ねてくる。
「彼女がお金のためだけに動いてるように見えるかい?楽しんでるようには、見えない?」
「……。」
その言葉に黙り込む。
「働く事は、お金を稼ぐためだけじゃない。人との関わりそしていろんな事を経験して楽しむ事だって出来るんだ」
「…楽しむか…?」



