夜七時を過ぎる頃、中学生の私たちは帰らないといけない時間になってしまった。

「上野家どこ?」

「え……駅二つです」

「……駅まで送るよ」

そう言って先輩は私の手首をとって引っ張る。

「えっ、ちょっ」

驚きを隠せないまま、先輩に引っ張られながら歩く。

「あ、あのー先輩?」

「……星、すげえ」

星?
先輩の言葉に、空を見上げると私は思わず「わあ……」と言葉をもらした。

「星の海みたい……」

「ふはっ、なんだそりゃっ」

「……綺麗ですね」

たくさんの星が散らばる夜空は、海みたいに広く広がっている。