ねんで、私は先輩と同い年じゃないんだろうって、何度も思った。
そうすれば、先輩と一緒に東京の大学に進むのに。
そうすれば、先輩と一緒にいられるのに。
「先輩、次会えるのはいつ……?」
「二年後に卒業。でもお盆とかはできるだけ帰るようにする」
専門学校は忙しいってきく。
もしかしたら、お盆も帰ってる暇なんてないのかもしれない。
「梓、そろそろ時間だから」
そう言って、離れる先輩。
先輩の腕の中からはなれると、一気に体が寒くなって。
わたしは、ぐっと溢れそうな涙をこらえて、声を出す。
「……先輩」
「ん?」
「もしも私が夏目漱石だったら、こう訳します」
あの日、保留にしていた言葉。
先輩、好きです、大好きです。
この気持ちはずっとずっと変わらない。
私は、先輩の耳元でそっと囁いた。
『どこからでもあなただけを見つめてる』

