そして、下駄箱。


私は半泣きだった





柳にふられて。


武内とも一緒の部活で。




もう....嫌だ。




ドンッ


「いった....」


突然、昇降口の下駄箱の影から人が出てきた


思いっきり尻もちをついた。




「ごめん!大丈夫?」




「え....っと....」




目が合ったとき、


柳に感じてた思いと同じ思いをかんじた


グイッ

「保健室、寄ってく?」


手を掴まれて


私は立ち上がった



ドキッ


「だ、大丈夫です....っ///」


「そう?」

ドキッ

「は、はいっ!」



優しい瞳にドキドキしてる


上履きの色が違うから、先輩....



「俺、門倉学(かどくらがく)2年っす」


ニコッと笑う顔はさっきの紳士みたいな素振りとは

正反対で、無邪気で....




「私、は....藤田道です!」


「ー....道ちゃんね」




ドキッ



やばいよ。ドキドキが止まらない。



グイッ


突然


彼の腕の中に私は引っ張られた



「えっ....///!」


優しい匂いが広がる


心臓が破裂しそう。






「一目惚れって信じる?」




抱きしめられてる。


生まれて初めて、男の人に



「一目惚れ....で、すか....?///」



柳のことを少し思い出してた



あの時、すごく、好きだった....



涙がにじむ




彼の腕から解放された私は



にじんだ涙を頬に流していた



「えっ....そんなに嫌だった!?ご、っめん....」


「ち、違います!....」


震えてた 声が。私の。


「....思い出しちゃって、元カレのこと」




精一杯笑った

涙はボロボロだったけど。




その瞬間だった



私の唇が塞がったのは。






「一目惚れ。好きだ....道ちゃん」




離れた唇と唇



動く先輩の唇





今のって....キス。