「二宮っ...?」


名前を口にしたのも

久しぶり過ぎて

なぜか目に涙が滲んだ。


懐かしいシャンプーの匂いがした。




目の前には私より小さい男子。


茶髪の天然パーマが女の子みたいな....




そう、前と全然変わってないのに



どこか懐かしい人。



「久しぶり、恋愛熱血女」





声が少し低くなった...?



「は、はぁ!?何よチビ!!!」



「あと1年もすりゃあ抜かすし。」


べーっと舌を出す彼、は




私の初恋の人。





二宮 光(にのみや ひかり)。




「久しぶりとか言っちまったけど、



今年も俺お前と同じクラス」




チビの癖に上から目線で、やれやれという仕草のコイツ



「し、知ってるし」


なぜか緊張する、私



そんなこと知ってる、よ...



それに6年の時も同じクラスだったじゃん。



「空とはうまく行ってんの?」



二宮の茶髪が揺れる


「な...っ///」



「空」と言う名前に反応する私の表情。




「まだ諦めてねーのかよ

その顔じゃ進展もしてねーのか」




ジッと見つめる二宮の目が

すごく真剣だった




「...っ///」



「ま、がんばれ」


「あ、ありがと!」



素直に応援してくれるなんて、珍しい。





なんてったってコイツはドSだから。



「せいぜいがんばれよ。





部活説明会遅れないように。」



反射的に見た時計は14:58から14:59にカチッと変わった



「きゃぁぁぁ!!!

は、早く言ってよ!!!」


もうダッシュで集会室Eへ。







「変わんねーやつ」


クスッ







やばいやばいやばいやばいやばい


ダダダダダダッ


私のダッシュの足音と

心の中のやばいが同じくらいの速さで


連呼する。





集会室E


その板をみて前のドアを潔く開けた




カチッ



入って右の


やけに大きな掛け時計が




16:00になった音がした







「お、遅れてすみません!」



掛け時計の下の黒板にかかれた


「20××年 マネージャー部 」


という文字と



鬼のような先生の形相。



向かって左には



8人の生徒が座ってた