「あ、あそこ空いてるから私座ってるね!」


ここちゃんに言われて


「了解!」


2人分のお金を握って待っていると



ベチョッ
「ぅわ!?」


「お姉さん、すみません…」


うわ、美形な男の子。


着ていた甚平を見るとアイスクリームがべっとりついていた


「あ~大丈夫だよ」

大丈夫じゃないけど~~!



「弁償しますっっ!えっと、電話番号とか教えてもらえますか?いま

お金なくて…」

「あ、はい!」


カバンを置いて、男の子のメモにペンをつけたとき



グイッ


「笑、かばん取られてますよ」


後ろからペンを持っていた手をつかまれた


「な、…んで」

「本当あほですね…。


知らないんですか、?


いま流行りのナンパ疑惑泥棒

ナンパみたいにあざとく声をかけて相手に鞄を置かせて、

もう一人の仲間に鞄を持ってかせるー


新手のサギ」


「~っち」

美形な男の子は舌打ちをして逃げていった


私のカバンは汗をかいてる

彼が

取り返してくれたみたいで



「ほんと、危なっかしいですよ」


「なんで、優が…」


メガネ、して、ないし


「なんでって…メール見てないんですか?」


ハッとしてケータイを見ると


霞ちゃんのメールの前に1つきていた


《高橋さんに笑が独り身で可哀想だから来てと言われたから行きます!

ちゃんと待ち合わせ場所にいてくださいよ》


「ほら、…」


優は汗をぬぐっていった


「怖かった…」

今頃になってガクガクしてきて、


「…震えてます?」

「だって、サギって、そんな…」



ギュッ


「へ?…」

「こうしてれば収まる、と思う。」


とか言われて抱きしめられた



焼きそば。まだ買ってないのに。


ドキンドキン



「あ、ありがとう…////」


「はい…」





どんな顔してるか、

見たいな。