「....ちゃん!虹ちゃん!」


ハッ

「うわ、....寝てた」



そこには、愛が荷物を抱えて立っていた

周りにはほとんど人はいなかった



結構寝ちゃった。しかも、なんかロマンチックな夢見てたし....


「もうついたよ〜降りよ!」


「ありがと」

立ち上がって少しフラフラしてる体とバランスを合わせて、


バスの階段を降りた


「凪〜!久しぶり!」

「まじかまじか!来てくれたのか!」


二宮と、水無月がすごく嬉しそうな声で言ってる

凪....?

どっかで聞いたことあるな


視線を送ってみると、

メガネをかけてる、身長高めの爽やか系男子が1人

茶髪だ、あの色好き。



外に出ると、

雨はやんでいて、




薄〜く、虹がかかってて。


「あ、に....」
「虹出てるじゃん!」


私の言おうとしたことを言われてしまって、すこし戸惑った







「おい、凪....先に挨拶しろよ!

もう1か月ぶりなんだから」


上野遥は、ふぅとツッコミをいれる


「雨が止んだあとの


虹好きなんだよ俺、」

ドクン


う、わ....。


ドサァァッ

「ちょ、虹ちゃん!?」

隣にいた愛がびっくりしてる


不意を付かれて、荷物を全部落としてしまったのだ

だって、


一応私の名前ですよ?


「わ、ごめんごめん!!」

急いで荷物を拾ってると




隣から、愛じゃない手が私の荷物を拾った



「虹、って名前なの?

大丈夫?」










「は、はい....」

荷物を受け取って返事をすると、


「なんか、親近感 感じるんだけど....。」


ボソっとつぶやいた

親近感....?


「え、誰....。」

愛の人見知りオーラ、警戒心オーラに

答えたのは、上野遥


「コイツは成瀬 凪(なるせ なぐ)

サッカー部員だよ。マネージャー」


サッカー部なの!?

「あ、もしかして....

左足大怪我して入学時から1度も部活、クラスには来てないって言う....。」


「マネージャー?この人?」

愛の方を見て、微笑む


「すみません、顔知らなくて....」

「大丈夫大丈夫!今日から医者からOKが出たので、

明日から復帰します

1年A組成瀬です」



お、同じクラス....じゃん!

そうだ先生が言ってた人だ....


男子がなぐちゃんなぐちゃん言ってた人ね


「お、お願いします!こちらこそ!」


愛と軽く挨拶したあと、

私の方を向いたから



「親近感、って....?」


「虹でしょ?俺、凪だよ」

名前呼びとか....男子で

航や賢以外呼ばれたことない....っ///


「凪って....」

「凪って漢字は、

波や風を止めるって意味があるんだよ

まるで今日の天気みたいじゃん」



波や、風を止める?


ふわっと脳内でプレイバックした、さっきの夢

似てる、この人....。

出てきた男の人にとても


「雨を止めたら、虹が出たじゃん」


ニコっと笑ったときに白い歯が綺麗に見えた


「同じ 天気 同士よろしく」

手を出した彼は


恥じらいとか何もなくて

逆にこっちが恥ずかしくなった


私が手を出すか迷っている最中

ギュッと掴まれて

「よろしく、虹!」



「///よろしく」


なるせなぐ。

なんか、雰囲気がすごい優しいね