随分走ったけど、

手がかりも何もないし

福井豪は見失うし....。


てか、ここ、



どこだよ....。


戻ろうか....、

でも、雪ちゃんー....



トンッ

肩を、

後ろから叩かれた

ビクッ


「な、....っ」

「驚かせてしまってすみません!

道を聞かせて欲しいんですけど....」


反射的に振り返って、

いたのは

いかにも怪しい男。

20歳くらい....?

マスクにサングラス....。


「す、すみません....

私、ここの町のものじゃなくて。」


さりげなく1mくらい距離を取った


「え?そうなんですか、

すみません、ありがとうございました」



ほっとした

本当にただの道がわからない人か....。

「あ、ケータイとかあります?」


私がGPSかなと思って、

マップを開いて渡した


あ、ケータイあるからそれで連絡すればいい話じゃん....。

「助かりました、

ありがとうございました!」


カシャッ

サングラスを外して、微笑んだ


「あ、はい。....っ」

目は、思ってた以上に優しくて

普通の人。


人を見たまんまで判断してはならないな。


ギュッ

手を軽く握られる

ニコニコしてて、お礼?の挨拶だった


私も笑い返した、そのとき


「霞さんっ!!!!!」


ドンッ

私と、彼の手をほどいて、

全速力の足を止めた


「に、錦織....」

「何やってんだよ、ばか....っ」


ドキン

け、敬語、じゃ、ない。


「おい、てめぇ....


俺の霞さんに何してんだよ....。」


お、俺の!?///


「えええ?」

男の人はパニクっちゃってる

「違うの、錦織、その人はー....」

「だてに、


陸上部で鍛えてるんで、

あんたみたいな中年男には負けませんよ」



ボキボキ腕を鳴らす


「ストップ!!!」

私が鳴った手を押さえて言った


「この人はただの道がわからなかった人!

何もされてないし、不審者でもないよ!」



キョトンとしだす、錦織


「勘違いさせるようなことして、

すみませんー」

男の人も頭を下げる



「〜っ....はずっ。///

何してんだよ、俺〜。」


赤くなって頭を抱える錦織

「ありがとう、

助け来てくれて」


「ただの勘違いですよ....。ださ。」

「私は、結構かっこよかったと思うよ?」



「....期待するからやめてください。霞さん。」


「いやいやいや、

今回はほんと、嬉しかった」


「本番のためにも、もっと筋肉モリモリにします。


見ててください」

「もちろん?」




錦織のこと、

ちょっと見直した、かも。