でも、わかっちゃったんだよ

高橋が龍に向ける態度や視線、

それは俺とは違う。


俺よりもいい物だって。


龍が俺の大ッ嫌いな井野嵐と

フォークダンスしてた時も、

内心喜んでたし。


でも、2人を見て、

俺の事好きだって言った高橋の心情は

見たくなかったけど見えてしまった。


龍が好きって。


分かってる。

龍はすげー良い奴だ。バカだけどイケメンだし、性格も、ルックスも。

高橋にはお似合いすぎる。


俺の投げた枕のせいで、
2人がキスした場面も目撃して


俺、ついて無さすぎるだろ?


それに、最低だよ。


「たけ....?」


高橋の手を掴んだままだった。

「ごめん、強く握りすぎたな」


ううん、と言って笑う高橋



ドアの外の廊下で、2人きり


もう、言いたい事は決まってるだろ。




「高橋、俺と、....

今夜一晩だけ、寝てくんねーかな」


「えっ!?///」

予想どうり真っ赤な、高橋


「隣で。何もしないって

約束するから」


「〜いいよ。///」

ほら、こーゆーとこ。


「ありがと、」


そんで、サッカー部と卓球部、バスケ部の野郎共を追い出して

ふとんを並べた



「たけ、....

なんか、理由でもあるの?」


「話、ある」


暗い部屋

隣からは高橋の声


正直理性ぶっ飛びそうだけど、

それより今は話だろ。?


「俺の事好きだってー嘘だろ?」

「それ、は....」


「分かってた

龍のこと好きなんだろ?」

「ーそうだと、思う」

ズキッ


「やっ、ぱ?

龍、すげー良い奴、だも、んな。」


ツーッと涙が頬を伝う

だせぇ。


「たけ、

こんな事言うの、ひどいかもしれないけど言わせて欲しいの


私ね、たけ の事すごい好きだよ。

いつも私を助けてくれて。

初めて会ったときも....

木の上からおろしてくれて。


たけ がいたから私、龍への想いに気付けた


たけ は、私にとって

すごい、大切な人だよ」


「....ばか、だろ、高橋」


涙は止まらない

「たけ、泣き虫だよね」

「うるせー....」



ギュッ

手を握ったのは、高橋だった


「ありがとう」


「俺も、ありがとな」





こんなに好きだった人

生涯、いねぇよ



ってくらい。


愛してる