「雪ちゃん、

ちょっと隣の隣の部屋の様子見てくるっ」

笑ちゃんがアイスを抱えて、言った


「また転ばないでね....。」

「大丈夫大丈夫!じゃ、!」

ガチャッ



「私は外の空気でも吸ってくるから」

「えぇ?う、うん」


ガチャンッ


笑ちゃんを追うように行った、嵐。


あの子苦手だなぁー


ドゴォォォォンッ

隣の部屋から爆音が聞こえる

そして悲鳴


やっぱ、壁薄いのかこれ....。

そろそろ寝たいのに、寝れないじゃん....。



コンコンッ

あれ、霞ちゃん戻ってきたのかな?


「いまあけまーす!」

カチャッ
「こんばんは」


「〜っっ!?」

「....予想通りの反応」


霞ちゃんではなく、



福井豪。

う、う、嘘でしょ....。


なんでよりにもよって、誰もいないときに来るかな!?


「な、なんか用!?」

「用がないと、来ちゃいけない?」


ドキッ

「そ、そんなことは言ってないけどー....。


何も用がないなら、なんで来たのよ?

私、もう寝るの」

ドアを少しだけ開けて会話中


浴衣と笑顔が見える


「とにかく入れろって」

グッと少し開いてるドアを掴んで開けた



「うわ、ちょっ」


ギィィィッ

「きゃぁぁぁぁっ」


ズッテーーンッ


そのまま、バランスをなくして

倒れた


「い゛ったぁぁ」


ー目の前には、豪の顔ー


「あのさ、



まだ出会った当時と同じなの?」


ドキッ

「な、なにが?」


「俺の事思ってる気持ち



わっちゃんよりも、....ダメかよ」


ドキッ


そんな切ない顔しないで?


「豪はイイ人だと思ってる」


だって、さ


「私を守ってくれて、笑わせてくれて、話聞いてくれて」


「雪」


「でもね、まだ、私、航のこと


忘れられる自信ないの」


航の笑顔は、はっきりと浮かばない


付き合ってるのに

話さえもしてないし

すれ違ってばっかりで


「ー泣くな」

「泣いてない

というか近いから離れて」


この状態じゃ、もろ床ドンじゃん。



ドア開けっ放しだし

「そーゆーとこ好き」

ドキッ
「はぁ?」

なんなの。今日。


甘すぎじゃ。


「これ、好きだろ?」

立ち上がった豪はニコッと笑いながら


缶ジュースの、カルピスを差し出した


「わ、飲みたかったの!」


受け取ると


「お礼に入れてよ

枕投げで入れねー」

隣の部屋の方に人差し指をたてた

「....あと20分ね」

プシュッ
缶ジュースを開けて一口飲みながら言った


「ありがとう」


「こちらこそありがとうございます」

缶ジュースをふると、豪は


「わっちゃんも もったいな

早く謝ればいいのに」

「謝ってすむ問題じゃないの

もったいないって....何がよ」


「お前を放っておくことだよ」


「あのねぇ、

さっきから言ってるけど

全くもってときめかないからね。

ドキドキさえもしてない。」

(少しはするけど。ドキドキ)


「本当の事言ってるだけ」

「もっと、クールな人だと思ってたのに」


「雪、少しは警戒しろよ

浴衣の男女が2人きりで部屋にいるって」


いきなり、表情が変わった


「け、警戒するような人柄じゃないでしょ豪が」

「ま、そうか


ドキドキもしねーんだもんな」

「航の時よりはドキドキしてるよ?」


あれ、私、何言って


「おい、、」

「え、?」


「期待するだろ。やめろよ」

ドキッ


「本当の事言ってるだけ」


「ーしていい?キス」




「っつ....」

「嫌なら逃げて」






ドキッ


あれ、





からだがうごかない


あと1センチ近づいたら、

カルピスぶっかけるよ?


あと1センチ近づいたら、

ひっぱたくよ。?



なのになんで

うごかないの、




「ー雪」