「待てよ、雪っ!!」

航に追いつかれて。


手を掴まれて。



「離してっ....」


涙でぐちゃぐちゃな顔を見られたくなかった



「~、話、聴いて」


「聴く話なんて、ないよ」


必死に鼻声を隠したくて

口を塞いだ



「泣いてんじゃん」


ギュッ

掴まれてた手が強くなる



「虹ちゃん、の傍にいてあげて?」



「なんで、そんなこというんだよっ」


「航はっー....


支えてあげなきゃ。虹ちゃんを!」


何言ってんの?私。



「虹ちゃん、

支えてあげなきゃ。


私のことはもう、ー」

グイッ



「んんんっ」



強過ぎる手、に引かれて


繋がった唇



「///////な、なにす「乱暴で悪い」~」



航の顔は真剣だった


「ー正直、不安。

俺だって、豪と雪のことー....



気になってたし妬いてる

雪は、大丈夫って言ってても」


ドクンッ


「でも、自分が虹のことばっか見てたのも


事実だ」


ズキッー


「だけど、虹には恋愛感情は無いんだよ


あいつ、本当....壊れちゃうから。


このままだと」



航は、泣きそうだった



「雪、....。ごめん」


「~っ」



「初めてで、大切にしたいのに


上手く出来ないー....」



「....///////」



嬉しい。けど。


「虹の傍は離れられない。」




「わかってる」


「いいの、?」


航のいいの?の意味は


私が、虹ちゃんと航がいることを許してくれるか、ってことだ。


それなら、いいの。



いいの。



いいのー?



「うん、いいよ


私が決める事じゃないし」


「雪、あとー」

話を始めようとした航を遮った


「ごめんね、


ーさすがに今話すのは、辛い」




航の目が変わった


「ごめんー....。」

背を向けて、歩いた





でも、目にはもっと涙が滲んで







なんで、こんな気持ちで



キスなんてー?

胸が、痛いよ。