「龍っ、なんかあったの?」


「井野....。」


なんで、俺なんだ?


ってまた聞きそうになったから、言葉を飲み込んだ


「もうすぐリレーだよ?アンカーなんでしょ?」

ニコッと笑う




「ああ。....」


そうじゃん、告白は出来なくてもアピールはいくらでも出来るだろ?


それに、亮と協力して....、

空と合わせて、C組(空)に勝ってやる作戦を練ったし!


ーそれくらいなら、いいよな?


年に一度の体育祭だしイイところ見せたい




「俺、行くわ出番2回あるし」

「了解」


胸前で手をヒラヒラ振る


ーあいつ、何考えてるか相変わらず分からないな


「龍~、おせーぞ!何してたんだよ!」

「亮、ごめんごめん」


白いハチマキを結びながら笑う亮


「足の速さは俺も同じなんだから....。

俺の分も高橋にイイところ見せろよ?」



そう。

アンカーの座はクラスで俺と亮のどちらかだった。


でも、じゃんけんで勝ったんだぜ!

チョキで!

っしゃぁぁ。ってな



「言われなくても惚れさせます」


「あ?それはだめだ」



正直こーゆー友達、一緒にいて飽きないしすげー楽しい


ライバルと確定した時も、

亮は正々堂々、って笑ってくれたし。






それでリレーが始まって。

俺らは空を抜いて。高橋の走りも見れて。



女子みたいにわーわーやってた、




とき。