「なんで....」

ポタッ



「虹ー....」


手術のランプが照らされる

赤い


血の色


航は涙で私の腫れた目を見て

背中をさすってくれてた


止まらない涙


暗い病院



賢....。

私のせいでしょ?

ごめんね。


無理言って。


もう、近くにいる、資格なんて、ないよ。



合わせる顔が無いよ。


ポタッ


「大丈夫だよ、だから泣きやめよ」

「ごめん....航....」

「謝るなよ、虹のせいじゃない」



あったかい手が背中にあって、

励ましてくれて。


航だって、私以上に緊張してて

泣きたいはずなのに。



「私ー....もう行く」

「ー....送ってく」



「大丈夫!....」

私が立ち上がって目をこすると


「そんな顔して言われても説得力ないんだけど」

ズキッ

「賢のそばにいてあげて?

私は、もう、そんな資格ないから。」


「でもー「お願い、航」っつ....」



分かった、と言って

航は病院の前にタクシーを呼んでくれた



航、優しいね。



ごめんね。



ごめん....



ツゥーッ



「なんでこんな、....残酷かな」