「ダメ....って....?」

ギュウウウウ


「俺、....あと1年も









生きられないんだよ」


その言葉に

恐怖以上の物を感じた


「....何、言ってる....の?賢....」

ギュウウウウ


もっと強く抱きしめられて

彼の顔は見えないけど


ポタッ


私の頭の上に雫が落ちたのは

わかった


「本当は、目覚めてた


虹が来てくれるずっと前から


でも、起きることができなかった


看護師が余命の話をしてて。


会ったら、泣いちまうだろ」


なんで?



なんで?



「賢....なんでよ....。


なんでよっっ!!!!!」


ポタッポタッ

私は、もっと強く抱きしめてた


賢を。



ベリッ

突然、抱きしめてた手をはがされた


「航、長い間迷惑かけてごめんな


虹を、よろしくな」


そう、航にいうと

「虹、....。ごめん、」



私に哀しい笑顔を見せて、

病室に歩いていった




「賢っ!!!」

グッ

「虹!!!」

追いかけようとしたのに、


航に手を掴まれた


「離して....っ....もう、

離れたく無いの....!!


余命だとしても、


最後まで一緒にいたいのっ....!!」


私の泣き叫ぶ声に


「賢、ひでーやつだよな」

グッ....


私の手を掴む力が強くなった



「俺ら、待ってたのに


余命?」


ツゥーッ


「笑わせんなよ。....

笑わせんな!!!!」


航の目からも雫が流れ落ちた



大粒だった


「虹、ごめん


謝るのは俺だよな

賢のとこ、行けとか言って。」


「航....」


「ダメだ、泣きたいのは、虹だよな」


わかってる。

航の優しさも、賢なりの優しさも


私が泣かないように2人とも

気遣ってくれてるの


でも、私は、



賢の傍にいたいの