-同じく一週間前-


「賢くん、まだ見つかりません!!」

ドクンッドクンッ



「目覚めたの?それとも、....元から?」

ドクンッドクンッ


「事故とかじゃないの?既に病院にはいないとか....」

ドクンッドクンッ


患者さんたちのひそひそ話が耳に響く


怖い怖い怖い。

賢....っ....。


「たわいもないこと、言わないで下さい」

「航....?」



「そんな確かでもないこと話してるくらいなら自分の病室に戻ってください」

航のはっきりとした主張に、

患者さんたちは戻っていった


「航、ありがとう....」

「めっちゃ震えてるけど大丈夫かよ

外、夜だし雨降ってるし....。


そろそろ帰ったら?」

ブンブンッと頭を横に ふった


まだ。帰りたくない

賢が見つかるまで....!!


「....昔から変わんねーな、虹

そういうと思った」

ポンッポンッ


頭をポンッとされた


大きい手に安心を覚えた


「賢っっっ!?!?」

突然、航が顔を私の後ろに向ける


「え!?」

私も振り返った


「久しぶり」

ドクンッドクンッ


「賢ー....」

会いたかったのずっと


目を開いて、口を開いて声を出して

笑ってくれる、あなたに


ポタッ

「....虹??」

私の涙がこぼれたと同時に

賢の口から私の名前が呼ばれる


ドクンッドクンッ


「賢っ....!!!」

私は、走ってた


涙でいっぱいで腫れた目で


ギュッ


「賢、待ってた....目覚めるの、待ってた」

さっき抱きしめられたときと同じ感覚

私は、抱きついてた、




「虹、ごめん....」


ギュッ

腰に回された彼の腕


「ううん....」

ポタッ




「俺、....もう ダメなんだよ」