「....つ、疲れた」

猛ダッシュしてやってきたここは


剣道クラブ



「もう、けじめ つけなきゃ....!!」


朽山瑞こと、みーくんは

私の半年になるかな


付き合っている彼氏



剣道クラブで

今考えたら

友達以上恋人未満


だったね。




「失礼します....」



ガチャッ


「....あ、見学の人?」

「いや、その....」


入るなりコーチっぽい人に話しかけられた


「まぁまぁ、女の子でも大歓迎だから!見てってよ!」


グイグイ押されてもう一つ先の部屋に連れ込まれた


ガチャッ
「ハァァァァッ!」


う....わ....。


入るなり、顔の隠れた人が剣を振るう


ビターーンッ


相手の頭寸前で止まる剣



「おーっ、成長したな瑞」


「え....?」


私が見ていた人がこちらを向いて


かぶとを取った


「そんなことないですよコーチ」



バチッ


「あれ、雷」


目が合う


久しぶり


「みーくん....」



汗をぬぐいながら笑う


「お、知り合いか?」

コーチが隣でクエスチョンマークを飛ばす


「はい 彼女です」


ズキッ

「こんな可愛い子がか!?もったいねーなぁ瑞」



「じゃ、少し失礼しますコーチ」


グッ


手を握られる


自然 に



「久しぶり

何か、話?」


「身長伸びたね....」


「だろ?」



「あの、ね....


私、」



「別れ話?」

ビクッ


「え....と、」


「図星ね」


「なんで....。」



みーくんは可愛さなんて消えてて


もう、男だった


「空に告白されたんでしょ?空から聞いてた」

「な....」


「別れよっか俺ら」


あまりにも圧倒的すぎて


納得が行かなかった


「....なんでそんなに軽いの?私、すごい考えて....」


「雷だって、別れ話しにきたんでしょ?それならいいじゃん

俺、グチグチ引きずるの嫌いだし」


「....私のこと、好きじゃなかったの?」


「あれ、まだ気付いてなかったの?」


「え....?」



「俺が バスケ部のマネージャーになってってお願いした理由

あれ、空に頼まれたんだよね


高橋をマネージャーにしてくれ〜って。

俺が告白したのもほとんど空のため?


俺、友達派だし」




「な....っ....」


空が?


「心臓病....は....」


「あれは本当だけど

雷がマネージャーじゃなくたって心臓病なんて支えられるでしょ」

ズキッ



「まさか....空、それを愛に話して....」


愛の泣き笑顔が頭に広がる


「空は本当素直な奴だからな〜


雷を騙すっていう罪悪感と橘からの協力が欲しかったんじゃね」


ズキッ


「最低....!!!!」


涙をこらえながら

叫んだ


「騙して、何が楽しいの


好きじゃないなら好きだなんて言わないでよ....

私は、本気で....」




「ごめんごめん ま、とにかく終わりで」



ドンッ


「な....空、....?!」


私の涙がこぼれそうになったとき

みーくんが壁にぶちあたって、。


空、と呼ばれる人



「そ....ら」


「瑞....高橋傷つけるなんて聞いてねぇぞ」


「は?お前が言ったんだろ

高橋をマネージャーにしてくれって


傷付けてるのおめーじゃねーか」


瑞は壁に当たった左肩を抑えながら言った



「それくらい、好きなんだよ....」


ドキッ


「だから、謝ろうと思ってた

ずっと


でも....俺、心臓病だし


好きになる資格とかねーし」

「....空、おまえ」


「瑞、ごめん


でも俺はもう


高橋に好きになってもらうことよりも


高橋を守りてーんだよ....!!!」



やば....い



「行こう、高橋」

「え....うん....///」





「人のものになると奪いたくなる なんてね」