「ねぇやばい

二宮こっち来る」

私があたふたしてると


「あ、じゃあ俺出てくよまたな〜」

「は!?ちょっ....」ガチャッ


大関は話の途中にも関わらず

屋上のドアを閉めた


ど、ど、どうしよう


何気なく気まずいし


こないだ、だって....。



〝橘....〟


エコーしーなーいーでぇぇぇ。


二宮の低音ボイスは耳までドキドキ来る


「ーっ....このままだとニヤけて終わってしまう」



私が逃げようとドアに手をかけた瞬間


「に、....」

ガチャッ



「にのじゃねーし」

「上野遥」


びっくり、した

一瞬二宮の身長が伸びたのかと思った




「....こないだ、ごめん

まさか泣かれるとは....。」


申し訳なさそうに目線を外して苦笑いする彼

「....なんであんなこと....?」


「え、気づいてないの!?」

嘘だろ、と困り果てる彼


「まじかよ....すんげー鈍感」

「鈍感...。」

私、そんなに鈍感ではないはず、だけど


「にの 妬かせる為にやった」



「ほ、へ....」

「にのが妬いたら面白いし」


「そ、そうだったんだ」


なんか、違う


「なに?本当に俺が気があるとでも思った?」

ふわっと笑う

高すぎる背丈と合わない笑顔で



「....最低!!!!」


とにかく顔を隠したかった

思い出してしまったし


あのキス

頭だけど


それに、妬かせる為....。

気持ちは、嬉しい けど


だったらなんで....


「なんでキスなんか....っ!///」


「え....」


「私、行くから!!!」


私の赤い顔を見て戸惑う彼を見て

もっと恥ずかしくなった。


「何も思ってないならキスなんてしないでよー....!!!」


屋上から階段へ一直線にかけ下がる



「橘、おま....」

「バカ!!!!」


結構降りたところで二宮と遭遇


話かけられたけど

なにか今はバカ!!!!しか出なかった


「あ゛??」


タタタタタタタタタタッ


怒ったような声がしたけど

後ろから追いかけるような足音はしなかった


「....はぁ、私、想いすら伝えられないんだ....」

空 のとき以上に辛いし悲しい


他の人にキスされた だけなのに

まだこんなにショックなんて。



「おい」

階段の手すりに捕まって

窓から顔を出していたら


ポンッ

「き、きゃぁぁぁぁ!?」


後ろから二宮に肩をポンッとされ

あまりの驚きと不安と恐怖に駆られた



だって、さっきの独り言


聞かれて....!?!?///


「おま、危ないっっ!!」


「ぅわっ....!!!?!?」


ドッシーン