「亮っ!!」

「橘」


私はなんか、追いかけてた

「なんだよ?」

「い、いや....っ、その、なんか....」


別に用があるわけじゃないけど。
なんか。


表情とか....


「心配かよ?」

「え?いや、そーゆーわけではない!!」


心配=気になってる=好き

という思考がまわる


「なんだよ〜ま、いいけど」

「ん....」


さり気なく横を歩いてた


なんか、やっぱ、雰囲気が....


「む、ムカつく!!!」

「はぁ!?!?」

「すみません、なんでもないです」


つい口に出た

思ってた言葉を....


なんでムカつく!!!んだろう?と思った


「....聞いていいのか、分かんないけど....

あの事件の日、雷を助けに行った、じゃん?」


「あ〜....あれか 聞いた?高橋から」

「いや....なんか 雷 全然知らなかったよ」


「だよな?やっぱ」


「....龍に取られちゃっても、いいの?」




少し沈黙だった

これ、まずかったかな と思ったとき


「取らせねーって自信はありあまってるのに


高橋に好きになってもらえる努力に必要な勇気は

これっぽっちもでねーんだよ」


「出ないなら出しなよ!!!!」

「え....。」


「あんた、男でしょ!!!

あのね、今だからいうけど....

縛られてたときにも雷のこと考えて、無我夢中に走って助けに行って....

ちょっとはあんたのこと、見直してるんだよ!!?」


「....っ」


「高橋雷は、橘愛 通さないと


あげられないからね!!!」


「....おまえは高橋の父親か」

そう言うとニコッと笑って


「サンキュー橘」


やっぱり、なんかニコニコしてた方が

亮っぽい。


「どーいたしまして!」