「なっ....」

その声に急いで振り返ると




カッターナイフを持った男


「学に速く連絡しねーとな

こんなとこに、ねずみ一匹いたとは」


ザッ

首元に当てられるカッターナイフ




「....や....めて....」


あまりの恐怖感に頭が絡まる


「もしかして....おまえマネージャー部の橘か」

ギクッ


「マネージャー部がいたら始末しとけって言われてんだよな

ラッキー♪」


目の前に、男の顔


首元のカッターナイフが少し動く



「大丈夫 殺しはしねーよ

ちょっと切るだけだ」

怖い。誰か

誰かー....っ



ガンッ

「お、もう始末に取り掛かってんのか」


「学....!」

目をつぶったとき後ろから来たのはさっき歩いていった先輩



「....おまえ愛ってやつ?道のトモダチ」


「え........」

ニィッと笑う彼におびえる


「道からよく話を聞いてたよ

ほんと、マネージャー部潰すことのためになんでキスなんかしちまったんだろ俺

あんな女に」


何言ってんの?コイツ


「まぁ、もう道は潰したし、嵐とかいうやつも道連れにさせてもらった

あと7人のうち、お前も潰れれば....


あとは6人だな」

ニィッ


「あ、らし....まで?」


「ああ。あいつらよほど嫌いあってるみたいでな 利用させてもらった

今は 嵐ってやつは保健室だよ


気絶してるだけだから、目覚めたら俺の仲間に今のあんたと同じ状況に合わされるだろうな」


ゾクッ


「ま、頼むわ 俺はさっきあった高橋雷をやってくるから」


「うっーす」



また去っていったクソ野郎。


ありえない....


このままじゃ、みんな捕まっちゃう....




「覚悟はいいか?」


グッ


カッターナイフを支える手が強くなる






ピーポーピーポー


「んなっ....警察!?!?」

突然、する音


ピーポーピーポー


どんどん近づいている



それを気に離れるカッターナイフ

ほっとした私の足は


ガクッ


「おい、立て!!くっそ....」


しゃがみこんだ私を連れていこうとしたが、無理で


彼は逃げていった



た、助かったー....



「橘!!!!」



「に....のみや....」


閉じた目を開けたら目の前に優しい彼の顔があった


「野球部と陸上部のマネージャーが、愛ちゃんたちを助けて!って涙ボロボロでサッカー部に乗り込んでくるからさ」


霞ちゃん....ここちゃん。


「よかっ....た」


「俺、頭いいだろ」


そう言うと彼はケータイの再生ボタンを押した


ピーポーピーポー


「これ....」


「録音しといたんだよ前に

役立っただろ」


「あ....りがと 助けてくれて」




「無事で良かった」



やっぱり、私 この人が好きだ