「とにかく、探そう!!!」

私の声にうなずくみんな。



「おいっ、離せよっ!!?」

突然、

職員室の向こうの校長室の方からする声


「おい、これ、たけの声じゃ....」

市原が不安そうにつぶやく


私が少し身を乗り出して、見てみると



男の先輩に襟をつかまれて、暴れる 亮。

その後ろにはさっきのババア


「あのままじゃ、校長室に連れ込まれちゃうよ....!!!」


私が言うと


「........愛たちは、助け呼んできて」

「に、虹ちゃん....?」


真剣すぎる瞳を開いて、私に言った虹ちゃん


「な、なんで....虹ちゃんは....?!」

「私は、あの人の見張り?っていうか、おとり?になるよ」


亮の方を指さした虹ちゃん。


「ばっか....おま、女1人であそこに言ったってやられるだけだろ?!」

菊池の取り乱す声


「いや、男が行くより、女の方があのババアを油断させられると思う

それに、

卓球部はこの事件に関係ないはず....

だったらマネージャー部が言った方がいいよね?」

虹ちゃんの正論に返す言葉はなかった



「だ、だけど....。私も行く!!!」


私の言葉に

少し目を見開いて


「ありがとう、愛」


「俺らは....?」

市原の真剣な言葉に


「あの人がここにいるってことは、雷は1人だよ....だから、

あなたたち二人は、雷を探してきて!」

虹ちゃんも真剣な言葉で答える




「分かった いくぞ菊池」

「....なんかあったら呼べよ」


2人は、そう言うと走っていった



「作戦は、こうだよ愛!

私が校長に用があるふりして、真正面から校長室をノックして入る

愛は校長室の前で、見張ってて欲しいの

私の叫び声とか聞こえたら、さっきの2人をよびにいってほしい」

「に、虹ちゃん....それで、いいの?」



だって、虹ちゃん

あまりにも足が震えてたから


「大丈夫だよ、任務よろしくね 愛」


震える足とは裏腹の笑顔で、虹ちゃんは校長室へ歩いていった



扉の前で、深呼吸をして

コンコン
「私、マネージャー部の正岡虹です

校長先生いらっしゃいますか?」



虹ちゃん....っ....



ギィィィッ
「あら、あなたさっきの....」

顔を出したのは、さっきのババア



ガンッ

一瞬のスキをついて虹ちゃんがドアを蹴る


「武内亮、いるなら返事して!!!!」

「なっ....おまえ」


虹ちゃんの大声にババアは、虹ちゃんの口を塞いで


「んーっ、ん....んんんん!」


「門倉くん、近くに仲間がいるかもしれないから見てきて」

「了解 ま、こいつのガムテも終わったし....見張りよろしくな」


ギィィィッ


扉から、先輩が出てくる


門倉....、こいつ道の....っ....!?

道、もしかして倒れた原因は

嵐じゃなくてコイツ....っ....!?!?



私が隠れていた物陰の反対側へ先輩は歩いていった


今のうちに、校長室へ入って二人を....



立ち上がったときだった





「ねずみ一匹発見」