「....たけ、....あのさ?」


「....なに?」


「そろそろ、この手....離さないと


誤解されちゃうよ??」


ドキドキしてる。たけにこんなにドキドキしてるの初めてかもー....。


だって、誰だってドキドキするよね?

こんなに強く手を握られて、引かれて


「....俺は....別に誤解されても「あっ、高橋!どこ行ってたんだよ?」....おい。」


たけのボソッと話した言葉に

後ろから、挟まった言葉。



「空?ごめん、ちょっとマネージャー部の仕事してて」


私が言うと


「....それが、仕事なんだ?」


私の、たけと繋がったままの左手を指さした


「ち、ちがっ....///これはっ」

私がたけの手を離そうとしたけど


グイッ


もっと強く握られて。


「あのさ、空

俺ら今仕事中なんだよ

お前はバスケやってろよ」


「た、たけ....?」


握られる左手。

握る力はもっと強くなって。


こんなたけ見たことないくらい

鋭い目で空をにらむ


「....そーゆー訳にも行かないんだよ

バスケ部のマネージャーは高橋だから

卓球部のマネージャーは?


バスケ部のマネージャー、さらわないでくれる?」

ビクッ


空....?



「てか、理由説明すんのめんどくさい」

グイッ


「っわ、?!」


「さっきから手 引いてばっかでごめん。」

ドキッ


そう、白い歯を見せて言う彼は

また私の手を引いて階段をかけあがった



「空、あと1時間くらいしたらもどー....?!」


振り返って叫んだ言葉


は、途中で止まってしまった


だってあまりにも空の顔が




怖かった、から。




なんで?