「む....。リズムが合わない....」


指揮棒片手に、楽譜とにらめっこして3時間



指揮って、思った以上に難しい。



「はぁ....ちょっと休憩でもしよっかな」


音楽室の扉を開けると



「ま、マネージャーっっっ!!!!」

ドンッ

「うわぁぁっ!?!?びっくりした!!」


突然ぶつかってきた、男の子



「す、すみません....っ。」


メガネ、?どっかで....


「え、大丈夫だけど....どうしたの?」



「吹奏楽部です。俺、....」


「あぁっ!!メガネ君!!」


あ、まずい。部員の顔も覚えてないマネージャーだと思われる....!!?!



「....マネージャー、指揮なんて出来るんですか?」


「ムムッ出来ますよ!!た、多分....」





「俺、やる気がねーんだよ!って怒鳴られました。高橋さんに。」


ら、らっちゃんおそるべし....。


「やる気は、確かにないです。友達の付き添いで入った部活ですし。興味も、ないです。

だけど、吹奏楽部は団体だから

俺がやんねーと、マネージャーの立ち位置やばいんじゃないかと思って。」



メガネと長い前髪で見えない目


だけど。



「私も、正直やる気ないよ指揮」

「え゛....。」


「やる気って、....

それに熱中する気持ちじゃない?


私、まだ指揮に慣れても、熱中してもないよ


だけど、やってたら 不思議と頑張ろうと思えてきちゃうものだよ?


その心を大切にすれば

絶対 やる気は、出てくるよ!」



「........マネージャー、変わってますね」


失礼な....!?



「俺も、そーゆー気持ち」


フッ


「見つけてみたいです」



「えっ....?///」


「高橋さんに、怒られちゃうんで行きますマネージャー。」

「あっ....待って!」


振り返った、彼の


ジャージの腕に書いてある名字が見えた


『堀江』


「ほ、堀江....君??」


「ちゃんと、名前覚えて下さいマネージャー

堀江優(ほりえゆう)です。」



「は、....はい。///」




メガネから見える視線と。あの笑顔


反則じゃない!?!?!?




やばい。色々やばい。