パチッ


「虹!!」


「虹ちゃん!!」



「....ゆ....き わ....たる....」



目が覚めたとき雪と航の顔があった


心配そうな、二人の顔




ガバッ



「航っっ!!賢は....賢は?」


思い出した



ある日突然消えた賢





「虹....お前、思い出したのか?」


ポタッ

「航、ひどいよっ....



なんで、あんな嘘?


小さい時も、今も」



小さい時の嘘


『賢はもう居ないんだよ』


今の嘘


『母親が再婚して、名字が変わった

名前も』



ポタッ


止まらない涙

滲む視界



「賢は....、どこなの....っ」


ポタッ


「もう、分かんないよっっ!!!」





「待って、虹ちゃん!!」