「賢さんは....今もまだ眠ってるの?」


「あぁ」



航のあまりにも悲しい過去に少し涙目になった


好きな人の好きな人として、生きるなんて


「おいおい、泣かなくていいって」


「だって....。」


ポタッ


「ほら、ハンカチ」


グイッ


航がハンカチを取り出して


私の涙を拭った


「その女の子とは....もうずっと会ってないの?」





「いや、また出会っちゃったんだよ

初恋の女の子に」


はぁーっと息をついた



「ついちゃったんだよ嘘。

また、賢って呼ばれたもんだからさ


親の都合で引っ越したとか名前が変わったとか」


それで、優しい嘘の話を....。



「あの笑顔で賢 なんて呼ばれたらさ

罪悪感と、恋愛感情が芽生えちゃって」








ズキッ



「その子って....?」




「バレー部のマネージャーの....」



ドクンッ



「正岡虹」


虹ちゃん....なの?





ズキッ


なんでこんなに、


ズキズキするのー....